ビジネス

間違えやすいビジネス敬語!就活や転職で覚えておきたい正しい言葉遣いとは?

ポイント

ビジネスシーンで欠かすことのできない「敬語」。

時には間違えてしまうという人も意外と少なくないのです。「もしかしたら間違っているかも…」とひやひやしながら敬語を使った経験のあるという人もいるかもしれません。

面接や交渉など大切な場面で敬語の使い方を間違えてしまうと失礼な印象を与えるだけでなく、今後のビジネスがスムーズにいきません。

人によっては、敬語を意識しすぎるあまり「二重敬語」と言って逆に失礼な言葉の使い方になっている場合もあります。

相手を尊重する気持ちを伝える手段として、正しくスマートに使えれば好印象を与えることができます。

話す相手や場所などによって使い方が変わってくる敬語。

間違いを知り、正しいビジネス敬語をここで身につけましょう。

ビジネス敬語は大切なマナー

常識

ビジネスシーンでは、様々な年代の人たちが共に仕事をしています。様々な年齢や立場の人たちのコミュニケーションを円滑にする共通言語が、敬語です。

敬語を使って話すことで相手を尊重している姿勢が伝わり、コミュニケーションを円滑に進めることにつながります。

逆に、友達と話すときのようなタメ口を使って話してしまうと、馴れ馴れしい印象を与えてしまい相手を不快な気持ちにさせてしまいます。

お互い気持ちよく仕事を進めるために、言葉遣いに意識を向けることが大切なのです。

「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の違いは?

マナーのある言葉遣いをするには、「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があることについて理解しておくことがコツです。

尊敬語

尊敬語は相手を敬う時、敬意を表す時に使う言葉です。相手が主語で、相手がすることを表すときに使います。

語頭に「お」「ご」をつけることで尊敬語になるものもあれば、動詞自体を尊敬語に変化させなくてはいけない場合もあります。

さらに、「お客様」「皆様」などに使用される敬称や、「~になる」「~される」などの接尾辞も尊敬語の一種です。

謙譲語

謙譲語は、へりくだった表現をして自分の地位を低く見せることで、相対的に相手を立てて敬う時に使用します。

ビジネスシーンにおいて他社の方から見て自社の者は、自分にとって目上の方であっても謙譲語の対象となります。

丁寧語同様、動詞を特殊に変化させて使用することがあります。「私ども」「手前ども」の「ども」などの接尾辞や「お(ご)~する(致す)」などの言い回しも謙譲語に含まれます。

丁寧語

丁寧語の対象となるのは自分や相手の動作、状態、物など多岐にわたります。

たとえば「食べる」の丁寧語は「食べます」になり、「悲しい」は「悲しいです」となります。

より高い敬意を表したい場合は「~でございます」を用いることもあります。丁寧語は主に語尾を変化させて表すという特徴があるため、尊敬語や謙譲語と区別がつきやすいといえるでしょう。

  • さようですか(そうですか、そうなんですね、の丁寧な言い方)
  • あいにくですが(相手の意に添えないことを言う前に置く言葉)
  • まことに申し上げにくいのですが(言いにくいことを言う前に置く言葉)
  • よろしければ(嫌ならばそうしなくて構わない、と相手を尊重する意思を見せる言葉)
  • お忙しいところ失礼いたします(相手への心遣いを伝える言葉)

上記の言葉を効果的に使えると、マナーのある印象を与えることができます。

意外と間違えて覚えているビジネス敬語は多い

間違ったビジネス敬語を使っている方は意外と多いのです。

間違い敬語は未熟さや品格の低い印象を与えてしまいます。意外と普通に使っている敬語が実は間違いということもあります。

特に上司や目上の人に対して間違った敬語を使ってしまったり、取引先の人に誤って使ってしまうと失礼になってしまいます。

よくある間違い敬語をみていきましょう。

二重敬語は印象を悪くする

社会人が意外と知らない誤用してしまいがちな敬語、それは二重敬語です。二重敬語とは、1つの単語に同じ種類の敬語を二重に使ってしまう間違った用法の事をいいます。

丁寧に言おうとするあまりに敬語を重ねてしまいます。それにより敬意が高まるわけではありませんし、逆に常識がないを相手に与えてしまいます。

例えば、「おっしゃる」「お越しになる」「おいでになる」「ご覧になる」などは敬語になっているので、使う時はこのままでいいのです。しかし、さらに「~れる」という尊敬語を加えて「おしゃられる」などと間違った使い方をする人が多くいます。

間違いやすい二重敬語はしっかり覚えて、常識のある社会人として信頼されるようにここは間違えないようにしましょう。次項で間違えやすい二重敬語について紹介しています。

誤った二重敬語の使用例

言う

NG:~がおっしゃられていました

OK:~がおっしゃっていました

 

来る

NG:~がお越しになられました

OK:~がお越しになりました

 

帰る

NG:~がお帰りになられました

OK:~がお帰りになりました

OK:~が帰られました

 

希望する

NG:~をご希望になられています

OK:~を希望されています

 

見る

NG:~がご覧になられました

OK:~がご覧になりました

 

注文を取る

NG:ご注文をお承りしました

OK:ご注文を承りました

OK:ご注文をお受けしました

役職はすでに敬語なので「様」は付けない

社会人が意外と知らない敬語の常識として、役職には「様」を付けないというのもあります。

役職を示す言葉はどれも地位があるという意味がある為、その言葉自体がすでに敬語となります。

会長・社長・部長・課長・係長などの役職に「様」を付けた「社長様」などは二重敬語になります。間違えないように気を付けましょう。

 

電話口でつい言いがちな間違いやすいビジネス敬語

ございますね

一見間違っていないように聞こえても、実は間違っているかもしれない敬語。その代表なのが「ございます」の使い方です。

NG:「○○さまでございますね?」

OK:「○○さまでいらっしゃいますね?」

「ございます」は丁寧語。相手側の尊敬語は「いらっしゃる」を使います。

○○の方(ほう)

直接的な言い方を避けたいときによく使いがちな、“○○の方(ほう)”という言葉。年齢に関係なく、この表現を使うかたは多いですよね。この表現だと方向を意味する言葉のため、何にでも安易につけるのは正しい使い方とはいえません。

NG:「○○のほうは、ただいま外出しております」

OK:「○○はただいま外出しております」

「ほう」は方角を示すときや二者択一ときのほか、物事をぼかす表現として使います。あいまいさを必要としない場面では不要です。

伺わせていただきます

対話でも電話応対でもよく使う表現は、間違った使い方をしている人が多いもの。

NG:「日を改めて、伺わせていただきます」

OK:「また日を改めてお伺いいたします」

「伺う」は謙譲語。「~させていただく」というのは「する」の謙譲語なので二重敬語になっているので注意しましょう。

問題なければ私がご用件を承ります

クッション言葉をはさみ、相手にソフトな印象を与えようとするときに、「問題なければ~」という表現よく使いますがこの表現はNGなのです。

NG:「問題なければ私がご用件を承ります」

OK:「差し支えなければ私がご用件を承ります」

〇〇部長が

社外の人に、上司の伝言を替わって述べる機会はたくさんあります。ついつい言ってしまうのが「~部長や~社長」という表現です。

NG:「○○部長がよろしくとおっしゃっておりました」

OK:「○○がよろしくと申しておりました」

“鈴木部長”という敬称ではなく“鈴木”です。正しい言葉遣いは「鈴木がよろしくと申しておりました」と丁重語を使った表現ですので気をつけましょう。

とんでもございません

お客様から感謝のされたときに「とんでもございません」と返事をしていませんか?

“とんでもない”は“かたじけない”などと同様にひとかたまりの言葉です。“ない”の部分だけ切り離して丁寧語に言い換えることはありません。

NG:「とんでもございません」

OK:「とんでもないです」

特に接客業の方は使う機会も多いので、正しい表現を口癖にしてしまうと良いですね。

○○はお休みをいただいております

電話応対の際に、上司が休みであることを伝えなければならない時があります。そんな時によく使ってしまいがちなこの表現です。

NG:「○○はお休みをいただいております」

OK:「○○は本日休みを取っております」

「お休み」は自分たちではなく先方に対して使う言葉なので間違いなのです。また「いただいております」も自社に敬語を使っているような印象を与える可能性があるので正しい表現ではないのです。

目上の方に使うのは失礼なビジネス敬語

日本語としては間違えていませんが、使う相手によっては無礼にあたってしまう言葉です。上司やお客様に対しては使わないように気をつけましょう。

ご苦労様です

「ご苦労様」は目上の方が目下の人に対して使用する言葉です。

目上の方に対してねぎらいの言葉をかけたい場合は、「お疲れ様です」を使用しましょう。

了解しました

一見問題なく思えますが、これは同僚などを相手に使用するフランクな表現です。

敬意を表したい場合は「承知しました」や「かしこまりました」が適切な表現といえます。

参考になりました

「参考にする」という言葉は、自分の考えを決定する際の判断材料のひとつにするといった意味であるため、目上の方に対して使用するのは失礼にあたります。

目上の方に対して使用する際は「勉強になりました」を用いましょう。

すいません

「すいません」という言葉は「すみません」をいいやすくした口語であるため、目上の方に対して用いるには失礼な表現です。

「すみません」は「済まぬ」の丁寧語にあたりますが、軽い表現であるためビジネスシーンに適していません。

謝罪の言葉を述べたい場合は「申し訳ございません」「大変失礼いたしました」などがふさわしい表現です。

私には役不足です

「役不足」という言葉は、与えられた仕事が自分の実力には取るに足らない、満足できないということを意味します。

自分の能力が足りず自信がないという意味で伝えたい場合は「力不足」「力量不足」が正解です。

なるほどですね

一見丁寧語に見えますが、これは「なるほど、そうですね」を省略した言い方です。

さらに「なるほど」という言葉自体が、本来は目上の方が目下の方に対して使う言葉です。

目上の方に対しては「おっしゃるとおりです」という言い回しが適しています。

敬意の対象を間違えているビジネス敬語

ここからは尊敬語や謙譲語の対象を間違えてしまっている言葉や表現をご紹介します。

おられますか?

「おる」は自分をへりくだっていう時の表現です。

相手がいるかいないかを問う時は「いらっしゃいますか?」を使用します。

資料をご持参下さい

「持参」も謙譲語ですから相手に使用するのは失礼にあたります。

「資料をお持ちになって下さい」などが正しい表現です。

お召し上がりになられる/どうぞお召し上がり下さい

「食べる」の尊敬語である「召し上がる」に「お~になる」をつけてしまっているため二重敬語表現です。

正しくは、「召し上がる/どうぞ召し上がって下さい」という使い方をします。

おっしゃられるとおりです

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」ですから、さらに「られる」をつけてしまうと二重敬語になります。

「おっしゃるとおりです」が正しい表現です。

まとめ

間違って使っていたビジネス敬語はありましたか?

間違った敬語を使っていた場合は真摯に受け止めて正しい使い方を覚えましょう。

ビジネス敬語は簡単には身につきません。意識をして正しく何度も使うことで身についてきます。

自分の敬語を見直し、ビジネスや就職時の面接で良い印象を与えられるように正しいビジネス敬語を身につけましょう。

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